舞娘さんに心奪われる酒田の文化

伝統を受け継ぐ酒田舞娘


舞妓さんと聞くと、京都が思い浮かびますよね?

実は山形県酒田市にも、「舞娘」さんがいるのをご存知ですか?

 

なぜ漢字が違う「舞娘」と名乗っているのかと言うと、

京都の「舞妓」さんと帯結(帯の結び方)が異なるためです。

 

それ以外は同じようにお座敷に呼ばれた時なんかは、

プロとして接待のお手伝いをしますし、

踊りと唄で華を添えてくれるんですよー。

 

私は小さい頃に一度だけ、

舞娘さんに会ったことがあるのですが、

綺麗で優しく接してくれたのを覚えています。

 

実は、江戸時代に


北前船は京の文化をこの地で開花させます。

酒田は物流の重要な拠点で、

「西の堺、東の酒田」と言われるまでに繁栄していたのです。

地元の名産品や文化、芸術を伝えてにぎわいを生み出しました。

 

その中で京文化の影響を受けた茶屋文化や、

料亭文化として酒田に実を結んだ歴史があるのです。

「酒田舞娘」は、

京文化の1つとして今も受け継がれているのが見て取れますよ。

 

酒田舞娘に会える相馬樓とは?


舞娘さんたちの踊りや文化は、

「相馬樓」で楽しむことができます。

昔から酒田を代表する料亭「相馬屋」は、

1894(明治27)年10月の庄内大震災のときに、

大火によって蔵以外はすべて焼失してしまいました。

 

その後、残った土蔵を取り囲んで、

新たに建てられたのが今の相馬樓なんです。

1995年(平成7年)に一度は料亭としての幕を閉じたのですが、

翌年に国の登録有形文化財に指定されています。

 

そしてそして、2000年(平成12年)には、

「舞娘茶屋  雛蔵畫廊  相馬樓」として開楼しましたー!

改修を加えて待望の観光施設として復活したのですね!

 

地元の観光地を聞かれたら、私は良くおすすめしてます。

厨房だった場所は、舞娘さんのお稽古場に改装されています。

毎日14時から始まる演舞観賞会の前は、

時間ぎりぎりまで稽古をしている様子が障子越しに見えることもあるんですよ。

 

相馬樓で美術品に触れる


2008年(平成20年)には、竹久夢二美術館が併設されました。

中は樓主の新田嘉一氏のコレクションをはじめ、

横山大観や河合玉堂などの芸術家たちの美術品が展示されています。

 

多くの肉筆画や版画に触れることができるので、

立ち寄った際は、ぜひ楽しんでいただきたいポイントです。

 

また、受付のすぐ横に「くつろぎ処 茶房」という、

富岡鉄斎の水墨画が飾られた落ち着いたカフェがあり、

中庭を眺めながら抹茶や珈琲、ぜんざいなどが楽しめます。

 

新しい文化を融合させた「舞娘茶屋・相馬樓」は、

今日も歴史ある建物と酒田花柳界の伝統を守り続けているんです。

 

伝統を受け継ぎ、

次の時代へ伝える姿はなんだか胸にくるものがありますね。